学校の様子

3月10日、3月11日は・・・。

公開日
2021/03/11
更新日
2021/03/11

お知らせ

○今週の月曜日の朝会で、今週は絶対に忘れてほしくない日が2日あると子供たちに話しました。それは、
3月10日 東京大空襲
3月11日 東日本大震災
の2日です。
 人の記憶は時と共に薄れていきます。そして、実際に経験している方は、時とともに少なくなっていきます。しかし、大きな被害を出した災害(私は、東京大空襲は人災、東日本大震災は天災と思っています。)から学んだことを語り続けていくのは、今を生きる者の大きな責任だと考えます。

○3月10日 東京大空襲
・もう76年前のことになります。私を含めて、ほとんどの人は、東京大空襲は記録映像で見たり 話で聞いたりした体験しかないと思います。人によっては、全く知らないという人もいるかもしれません。テレビなどで取り上げられることも近年減ってきたように思います。しかし、東日本大震災と違い、東京大空襲は人災です。戦争というものが起こらなければ起きなかった災害です。二度と戦争を起こさないためにも、その悲惨さをしっかり語り継いでいく必要があります。
以下は、以前勤務していた学校で、周年記念誌を作ったときにお聞きした学童疎開と東京大空襲の体験談です。

・疎開先に子ども達を引率した先生の話
昭和20年2月26日、6年生19名が「東京の中学校に入学させたい。」との保護者の強い希望で東京に戻りました。東京に帰宅してから12日後の3月10日未明、東京大空襲があり、小学校の周りは一面焼け野原となりました。この空襲では、疎開先から戻った6年生の子どもも犠牲になりました。また疎開先に残っていた子供の中の5名の子供は、この空襲で家族全員を亡くしました。疎開先で、その話を子供たちにするときは、言葉にできないほどつらかったです。

○東日本大震災 3月11日
・東日本大震災が起きて、もう10年になります。さくら小学校の子供たちは、6年生でも、当時1〜2才。ほとんど記憶には残っていないようです。しかし、わずか10年前のことです。私を始め多くの方の記憶に強く残っていると思います。そんな実際に体験した人の話は、本で読んだ知識よりも心に残るはずです。そして、身近の人の話を聞いた後で見る当時の映像や被災した方の話はより強く伝わると思います。
・3月11日に、ぜひ、ご家族で東日本大震災の時の体験を語り合ってほしいと思います。そして、現在も、故郷に帰還できずに避難場所で暮らしている方や、復興に向かって努力している方がたくさんいることを子供たちには知ってほしいと思います。そして、一人一人が東日本大震災の経験を今後に生かしてほしいと思います。
・さくら小学校では、本日は半旗を掲げ2時46分に黙祷を予定しています。
・東日本大震災の時の私
 東日本大震災が起こったとき、ちょうど6年生と共に体育館で謝恩会を行っていました。子供たちの合奏が終わり、会食をしようとしたところで、大きな揺れが体育館を襲いました。通常の地震と違い揺れがいつまでも治まらずに、長テーブルの上の飲み物や軽食が床に落ち散らばりました。始めはテーブルの下に避難したのですが、あまりにも揺れが大きく、少し揺れが弱くなったところで校庭に避難しました。近隣の公園からは、遊んでいた低学年の子供たちが、泣きながら学校に逃げてきていました。
その後は、6年生を保護者と共に帰宅させ、学校に集まってきた子供たちを落ち着かせ、子供たち休める場所を確保し、保護者に連絡し(携帯がつながらず、なかなか連絡がとれませんでした)子供たちを引き渡しました。最後に残った子を引き渡したのは真夜中だったと思います。(交通機関も止まってしまったので、歩いて帰宅した保護者の方も多くいました。)その後、学校が避難所となったので、私が自宅に帰ったのは、確か翌々日だったと思います。校長室の机の上で二晩寝ました。その間、震災対応に当たっていた教職員と共に職員室のテレビで見た(車を押し流しながら町に津波の押し寄せる様子)や(福島原発の水蒸気爆発の様子)(倒壊したビルや家屋の様子)(津波で水浸しになった空港)などの映像は、今でもはっきり覚えています。
その後も計画停電、通信障害、交通機関の乱れ、断水など、様々なことがありました。毎月避難訓練をし、災害に備えていたつもりでしたが、心のどこかで、(まさか、大地震が急に起こりはしないだろう)という気持ちもあったような気がします。東京で東日本大震災に遭った私ですら大変な経験と感じているのですから、震源地に近かった東北の方々はどんなに大変だったかと思います。今でも故郷に帰れず避難した場所で暮らしている方も多いと聞きます。故郷を復興させるために、努力されている方もたくさんいらっしゃると思います。そんな方々のためにも、東日本大震災を風化させずに、しっかり語り継ぐと共に、震災から学んだことを今後に生かしていきたいと思います。被災地の1日も早い復興を願っています。