ある日、スズメバチがビオトープに一匹やってきました。ぐるぐる空から眺めて、なにかを探しているようです。
彼女の目に映ったのは、葉っぱを食べて丸々と成長した、メスのオンブバッタ。スズメバチもメスなので女の闘いのはじまりです。
見えづらい緑の中の緑色のオンブバッタに、彼女は、一、二回、アタックし、動きを鈍くして、後ろから抱き込むように捕まえました。
それから、おもむろに獲物の頭から食べはじめ、くるりと回って、翅を取り外しながら、おいしそうにやわらかなおなかを食べています。
そして、自分の脚でしっかり包み込めるサイズになったら、大事そうに抱き込んで、どこか遠くの自分の巣にお持ち帰りしました。
最初にアタックしてから、持ち帰るまで、10分程度の早技でした。手際のよさは、まさにハンターとしてプロフェッショナルの領域です。
スズメバチは、この時季、ちょうど新しい女王蜂が生育し、冬に向けて食糧を貯め込む、一生懸命にあわただしく活動をしています。
ビオトープに限らず、いろいろなところで、おいしいものを見つけたり、巣を作ったり直したりするための材料を探したりしています。

※もし大きな蜂が近くを飛んでいたら、逃げたりせず、体にとまっても、急に動いたり、払ったりしないで、じっと動かず去るのを待ちましょう。