ナッジ理論
- 公開日
- 2023/02/27
- 更新日
- 2023/02/27
校長メッセージ
先日、竹林正樹さんという行動経済学の研究をされている方のお話をうかがう機会がありました。
竹林さんは「ナッジ理論」の専門家です。ナッジとは、「そっと後押しをする」という意味だそうです。
竹林さんは、人の心の中にある「感情」を動物のゾウに例えます。ゾウは大きくて力が強く気まぐれで暴れ出すと手に負えない、でも優しい面もあってなんだか憎めない、こうおっしゃいます。一方で人間には「理性」というものもあるのですが、この理性は、あまり表に出てこないうえに、思いのほか力が弱いと言います。暴れ出したゾウを理性で抑えることは難しいというのです。だから人間関係をスムーズにこなしていくには、自分の中にあるゾウと上手くつき合うことが必要なのだというのです。そして、相手のゾウをうまく後押ししてやれば、相手も素直に話を聞いてくれて、お互いにハッピーになれるというわけです。
では、どのようにすれば良いのでしょうか。ナッジ理論には3つの法則があります。
1つは、ゾウが疲れていないタイミングで話をします。疲れているときやお腹がすいているときは、誰でもイライラしがちです。まずは、穏やかに話のできるタイミングを狙いましょうというのです。
2つめは、ゾウから選択肢を奪わないこと。人は押しつけを嫌います。自分で選択したんだという納得感が必要なのですね。
3つめは、ゾウに話しかけるときには、最初と最後はポジティブなイメージにするというもの。やはり第一印象は大切ですし、最後は感謝の気持ちを前面に出し、気持ちよく話を聞いてもらう方が良いようですね。
どうでしょうか。こんなふうに自分の中のゾウ(感情)をうまくコントロールすれば、トラブルも少なくなるでしょうし、相手のゾウ(感情)をうまく後押ししてあげれば、思いの他、言うことを聞いてくれるような気がします。「互いに関係がうまくいっていないなぁ」なんてことが思い浮かぶ方は、さあ!レッツ!チャレンジ!!
学校長 川合 一紀