学校日記

「397」という数字

公開日
2020/12/21
更新日
2020/12/21

校長メッセージ

 皆さんは「397」と聞いて、何の数字のことだろうと想像されますか。ちょっと前のことならば、東京都におけるコロナウイルス感染者の数と言うようなところでしょうが、最近の感染拡大で桁が違いそうな勢いですよね。
 さて、実はこの数字は木星と土星の超大接近が397年ぶりという訳なんです。木星は約12年で太陽の周りを1周し、土星は約30年で1周します。太陽から見ると、この2つの惑星は約20年ごとに同じ方向に並びます。このように同じ方向に並ぶことを「会合」と呼び、「木星と土星の会合周期は約20年である」と表現します。約20年周期で起こる最接近ですが、毎回「超大接近」になるとは限りません。これは、木星と土星の公転軌道がわずかに傾いているため、太陽(地球)から軌道平面上で同じ方向に見えても軌道の上下方向にずれがあるからなのです。今回の場合は木星と土星の軌道が見かけ上交わる点の付近での接近なので「超大接近」となります。前回は約397年前の1623年7月頃でした。日本の歴史で言えば江戸時代、徳川家光が第3代将軍になった年です。次回は約60年後まで起こりません。非常に珍しい現象だということがわかるでしょう。
 最も接近するのは、12月21日(月)の頃です。夕方から宵の早い時間帯に南西の低空に見えています。月の右側に見えるのですが、この時期、肉眼では2つが重なって見えると思いますから木星しか見えないかもしれません。望遠鏡などで見ると2つ並んだ天体のうち、明るいほうが木星です。
 ちょっと気分を変えて、壮大な宇宙に思いを馳せてぜひご覧ください。

                    学校長  川合 一紀