水辺の馬
- 公開日
- 2020/12/14
- 更新日
- 2020/12/14
校長メッセージ
イギリスのことわざです。
「You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.」
馬を水辺に連れて行くことは簡単だが、馬が水を飲むかどうかは馬次第、と訳します。要するに、人は他人に対して機会を与えることはできるが、それを実行するかどうかは本人のやる気次第であるという意味です。お子さんがなかなか机に向かわないとか、問題集を買いそろえたり、夏期冬期講習などの塾への申し込みをしたりしたが一考に勉強に身が入らないといったお嘆きの声が聞こえます。本人のやる気が頭をもたげるまで待つしかないのでしょうか。「そんなこと言っていたら、いつまでもゲーム三昧ですよ」という声まで聞こえてきそうです。
先ほどの水辺の馬を想像してみます。馬は喉が渇いていないから水を飲まないのですね。喉が渇いていたら、自分から水辺を探してでも飲みに行きますよ。人間に置き換えるなら、勉強の必要性を実感したり、勉強しなかったことによる失敗で大きな痛手を被ったりすることで気づくはずです。例えば、好きな彼女(彼氏)と同じ高校へ行きたいとか、あの学校の制服が着たいなど、大人からすれば些細な取るに足らない動機かもしれませんが、キッカケになることはあるのです。
私も小学校の頃を思い出します。才女が私のところにやってきて「この問題教えてよ」と言うやいなや「ああ、川合君じゃ分からないか」と言って足早に他の子のところへ行ってしまった経験があります。あのときは悔しかったですねえ。俄然「勉強してやる!!」と力が湧いてきたことを覚えています。些細なキッカケです。でも今では、その才女に感謝しています。学ぶことの必要性と世界の広がりを教えてくれたのですから・・・。
学校長 川合 一紀