卒業証書 授与
147名が卒業します。
<豊島区立巣鴨北中学校 卒業証書授与式 式辞>
第12回の卒業生147名の皆さん、卒業おめでとうございます。
この佳き日にあたり、ご多用の所、豊島区・豊島区教育委員会より教育委員会 委員長 千馬 英雄(せんば ひでお)様をはじめ、日頃、本校に何かとご理解、ご援助を賜っております大勢のご来賓の方々のご臨席をいただき、盛大に卒業証書授与式を挙行できますことは、誠にありがたく、本校職員一同と共に厚く御礼申し上げます。
そして、保護者の皆様方にも ご列席いただいております。本日は、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。この三年間、PTA活動等を通してお寄せくださいました本校へのご協力・ご支援に深く感謝いたします。
さて、卒業生の皆さん、先ほど、一人一人にお渡しした卒業証書は、中学校の全課程を修了したと同時に、九年間の義務教育を修了したことを証明するものです。今、卒業の式典にあたり、「巣鴨北中学校で学んだことを礎に、自分の夢に向かって努力し、自覚と責任をもって自らの役割を果たしてほしい」ということを話したいと思います。
卒業生の皆さんは、私にとって大変誇れる生徒たちでした。それは、本校の最上級生として学習に、学校行事に、生徒会活動に、部活動に、様々な場面でリーダーシップを発揮して下級生たちによい手本を示してくれたからです。
運動会やれんが祭を例に挙げるなら、様々な課題を乗り越え、お互いに切磋琢磨し合いながら、友情と信頼を築き上げ、最高の競技・演技、最高の合唱や発表を披露し、観ている者に感動を与えてくれました。
私は、今日この場で、皆さんに覚えていてほしいことを3つ託します。
一つ目は、2年前、皆さんが1年生の時に経験した「東日本大震災」のことを覚えておいてほしいことです。平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、私たちに大きな被害をもたらしました。2年経った3月11日現在、死者15,882名、行方不明者2,668名、そして現在でも仮設住宅等での避難生活者が31万人もいるということです。復興は2年や3年で済みません。これから先も皆さんの若い力が必要になっています。また、自分たちの防災という視点で考えた場合、皆さんの若い力が地域社会の中で重要な役割を果たすことを忘れないでいてください。皆さんは地域社会の中で必要とされ、果たすべき責任があることを覚えていてほしいということです。
二つ目は、1年前、皆さんが経験した、巣鴨北中学校の10周年記念式典のことです。卒業生が2年生だったときの11月12日、本校の開校10周年記念式典が行われました。地域の方々から本校に寄せる熱い思いを感じたことでしょう、また、皆さんがこれから地域を支えていく人材として必要とされていることも実感できたでしょう。愛校心も更に強まったことと思います。巣鴨北中学校は、皆さんが成人式を迎えた後の平成30年の夏に、この場所に新校舎が完成している予定です。皆さんが学んだこの校舎や体育館は取り壊されてしまいますが、巣鴨北中学校はこれからもずっとこの地に残ります。これからは、卒業生として巣鴨北中学校を愛し、応援していてほしいと思います。
三つ目は、私が何度となく皆さんに伝えた言葉、「知・徳・体」のバランススのよい向上を目指し続けていってほしいということです。中学校で、また、義務教育の中で学習し、活動してきたことは「知・徳・体」のいずれかに当てはまります。皆さんは社会生活の中で基礎となる部分の「知・徳・体」を身につけてきました。ここで重要なことは、「バランス」です。例えるなら、「知」の部分のみを向上させても、それに伴う心、「徳」の部分がかけていたり、それを生かす体、「体」の部分が不十分だったりすると、十分な力が発揮できないということです。これから、ますます社会との関わりが強まってくることでしょう。中学校で学んだ基礎を基に、「知・徳・体」をバランスよく向上させていってください。
皆さんは、本日、巣鴨北中学校を卒業します。これからも、この地域、郷土を愛し、巣鴨北中学校の卒業生であることに自信と誇りをもってこれからの人生を切り開いていってください。また、卒業生として、地域に生活する者としてこれからも巣鴨北中学校を応援してください。
卒業生諸君の今後の健やかな成長を祈念し、限りない前途を祝し、校長式辞といたします。
平成25年3月19日
豊島区立巣鴨北中学校 校長 江川 登