おかげさん
- 公開日
- 2022/06/06
- 更新日
- 2022/06/06
校長メッセージ
これは、相田みつをさんの詩です。
私は長い歳月、上に伸びることばかり考えてきて、土の中深く根を張ることを忘れていたようです。ヒョロヒョロと、幹ばかり高く伸びて、雑然と枝葉が広がるようになったとき、幹や枝葉の重みに耐えられない、根の弱さに、私は初めて気がついたのです。
気がついたときには手遅れでした。手遅れとわかったとき、私は思いきって、枝葉を落とすことにしました。土の中の私の弱い根と、細い幹に支えられるだけのわずかな枝を残して
あとは、バッサリと切り捨てました。それは、根の弱い、幹の細い、力のない者が、なんとか自分を守りながらいきていくための、消極的な、しかもそれなりに勇気のいる生活の知恵でした。とはいうものの、枝葉を落とすとき、私は、やっぱり寂しい気がしました。もったいないなあと思いました。しかし、おかげさまで、今では目に見えない土の中で、弱かった根が新たな活動を始めたようです。枝葉を切り捨てた分だけ、いや、それ以上かも・・・。
誰にもわからない根だけが知る静かな充実感をもちながら・・・。
何か説明が必要でしょうか。
もし一つだけ言うとしたら、こんな風なことは、いつでもどこでも誰にでも、あることなのではないでしょうかねぇ・・・。
学校長 川合 一紀