色即是空
- 公開日
- 2022/02/28
- 更新日
- 2022/02/28
校長メッセージ
クレヨンしんちゃんの家の床の間には、「色即是空」の掛け軸がある。ご存じでしたか?
この「色即是空」(しきそくぜくう)とは、般若心経に語られる仏教用語の一つです。これは「この世にある一切の物質的なものは、縁起によって存在しているだけで、固有の本質を持っていない」という意味です。
く〜!難しいですよねえ。もう少しわかりやすく説明しましょう。「色」とは、私たちの目に見えるもので物質的な存在を意味します。「空」は実態がないことや何もないことを意味します。でも本当は、量子力学の分野では、目に見えないから何もないというわけではないのだと科学的に証明されています。つまり、ここでの「何もない」とは、物体が存在しないことではなく、全てのものは移り変わっていくため、本質的には実態がないという意味で使われています。う〜んと簡単に申し上げれば「形あるもので、変化しない変わらないというものはないのだよ」といっているわけですね。
「即是」(そくぜ)とは、同じという意味ですから、我々のよく使う等号(=)に置き換えできます。だから書き換えると「色=空」。こう書くと何となく分かるでしょうかね。目に見えるものは、たまたま形をなして目に見えているだけで、また原子レベルでバラバラとなって違うものに変わることもある。だからいつまでも同じ状態にはないのだ。目に見えないけど、全く何もないというわけではないのだ、実態がないというだけなのだ。という深い意味があるのですねぇ。
ところでなんでクレヨンしんちゃんの家の床の間にはこれが飾ってあるのでしょう?家訓ですか・・・。
学校長 川合 一紀