最新更新日:2024/11/08
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情けは人の為ならず

先日7月20日、21日で東京都中学校選手権水泳競技大会が東京辰巳国際水泳場で行われ、池袋中学校代表として参加した生徒が、見事全国大会出場を果たしました。おめでとうございます。個人技としての水泳ですが、リレーで参加し、チームワークの良さを十分に発揮したということでしょう。この間、並々ならぬ努力と、相手を思いやる気持ち、時にはメンバーへの叱咤激励もあったと思います。よく頑張りました。仲間が挫折しそうになったときも、お互い励まし合って高みを目指せるということは、よい経験です。
以前にも書きましたが、「情けは人の為ならず」という言葉の本来の意味をご存じでしょうか。生徒に聞くと、多くの生徒は「言葉は知っています」との回答でしたが、さて本来の意味を理解しているかといえば、「情けをかけることは、結局はその人のためにならない」と解していては「残念!」と言わざるを得ません。文化庁が毎年実施している「国語に関する世論調査」では、調査対象者の半数以上が誤用しています。本来は「情けをかけることは、巡りめぐって結局は自分のためになる」という意味です。転じて考えれば、人のために尽くすことは、自分の成長に大きく貢献するのだといえます。正に水泳大会に参加した生徒たちは自分の成長に大きくよい影響があったのではないでしょうか。
ところで、こんな言葉も誤用が目立ちます。「琴線に触れる」「失笑する」「須らく」「雨模様」などなど。
さて本来の意味はどうでしょうか。お子様との会話の話題に使ってみてはいかがですか。


                    学校長  川合 一紀

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凡事徹底とは

凡事徹底(ぼんじてってい)と読みます。今日の終業式で生徒たちに、このお話をしました。この1学期間、生徒に向けては色々なキーワードを提示し、その意味を理解し、日頃の生活に役立ててもらおうと取り組んできました。例えば「自己指導能力を育む」とか「呼吸タイムを行う」や「先言後礼の徹底」などがあります。この基本には「当たり前のことを当たり前に行う」という姿勢があります。凡事徹底とは、正にこの「当たり前のことを当たり前に行う」次のステップとして大切な心がけを言うのです。凡事徹底の意味は、当たり前のことを当たり前にやるだけでなく、当たり前のことを人には真似できないほどに徹してやること、他の追随を許さないほどに徹底するという意味なのです。小さな取組であっても、人はつい疎かにしてしまったり諦めてしまったりすることがあります。誰にでもできるようなことであっても、それにひたすら真剣に取り組み、他者が真似できないくらいにやりきることは、並大抵の努力ではありません。特別な努力をしろというわけではないのです。当たり前と思われる小さな事柄を、しかし途中で諦めることなくひたすら続ける姿勢に意味を見いだしてほしいのです。これから長い夏休みに入りますが、テーマを見つけ一つのことにひたすら取り組んでみてはいかがでしょうか。これは、大人の方にも自分を磨く有効な方法なのですね。
                    学校長  川合 一紀
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令和元年度 地域清掃・サマーコンサート

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7月6日(土)

令和元年度の地域清掃と吹奏楽部によるサマーコンサートが行われました。

令和元年度 第二学年尾瀬移動教室

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令和元年6月19日(水)〜21日(金)

第二学年の尾瀬移動教室がありました。

更新が遅れ、申し訳ありません。

心に残る人

ある日こんな光景を目にしました。ある女子高生が駐輪場へ小走りに走って行きます。自分の自転車に近づくと、その隣にある自転車が7,8台先まで将棋倒しになっているではありませんか。どうするのかと見ていたら、自分の鞄を籠に入れると、倒れている自転車を1台ずつ起こし始めます。「偉いなあ」と感心して見ていたら、そこへ買い物袋を下げた「おばさま」が近づき「あんた、何やってんのよ!倒したのね。もう!勘弁してよ。新品の自転車よ」と言うではありませんか。女子高生は、泡を食ったように口をパクパクさせるだけ。「おばさま」はひとしきり文句を言って去って行ったのです。「おばさま」に誤解され、一方的に怒られ、弁明も聞いてもらえず、さぞかし憤慨しているだろうと思いました。しかし、その女子高生は、大きく息を吸って吐き出すと、残りの自転車を起こし始めたのでした。今でもその光景は鮮明に覚えています。どんな人にも、誰も知らないその人だけの物語があります。もちろん、皆さんにもそういう物語があるでしょう。それは生きていく上でとても大切なものです。皆さんが「人の心に残る」存在であることも大切ですが、一方で、皆さんの心に「残る人」が存在するというのはもっと大切なことであると思います。どれだけ深く残っているかが、人生の「豊かさ」の証ではないでしょうか。私たちは生きていく上で、色々なものを失います。でもモノを失うより、「心に残る人」を失うことの方が大きな財産を失ったと言えるのではないでしょうか。


                     学校長  川合 一紀

真似ることの意義

「学ぶ」という言葉は、「真似る」から「まねぶ」に転じ変化したと言われます。つまり始めは真似ることからスタートするのです。何事も模範となる人や物を真似ながら、徐々に自分のものにしていき、いずれオリジナリティーが発揮されるというわけです。皆さんの中には「人まねは嫌だ!」という方がおられるかもしれません。しかし自分が何もないところからスタートするのは至難の業です。習い事ならば、先生の言う通り、やる通りに真似をして行くことが近道なのです。そして基礎を作っていくわけです。ただし、これが「パクる」となると話は別です。たぶんこの「パクる」と「真似る」の境界線が曖昧になっているから、真似ることに抵抗があるのではないでしょうか。「真似る」には努力というものが必要です。お手本を参考にして自分なりのスタイルを確立するには、それ相当の努力を要します。一方で「パクる」は、自分で努力をせず、どこからか既にあるものをもってきて、そこには自分なりの工夫や付加価値をつけず、ただ自分のものにしてしまうという行為です。オリジナルよりも良いものになっていないどころか、オリジナルよりも粗悪になっていることが多いのです。これを「パクる」といいます。パクって良いことは一つもありません。しっかり真似して自分を磨いていきたいものです。


                   学校長  川合 一紀

心をコントロールすることは難しいけれど・・・

先週以来、所沢市の中学2年生が友人と口論になり、ナイフで刺してしまったという事件が、マスメディアに大きく報道されています。中学生のお子さんをもつ親御さんからすると深刻な問題ですね。本日の生徒朝会では、全生徒に向けてこのお話をしました。ニュースや新聞でしか分からないけれども、刺してしまった当人は、今限りなく後悔をしているだろう。日頃から仲の良かった相手に対して、ちょっとした感情の昂ぶりが、このようなことにつながってしまったとは、残念ながら後悔しても後悔しきれるものではない。しかし、冷静になって考えれば、大変なことをしたと心から後悔しているはずである。と言うような内容です。言うなればアンガーマネージメントがうまく出来なかったことになるわけです。アンガーマネージメントとは、大人の人にも有効な方法として「6秒間じっと黙って我慢すると、怒りのレベルが下がる」というものです。本校では、呼吸タイムを推奨しています。3秒間で吸って、2秒間止めて、5秒間で吐ききる動作は、正にアンガーマネージメントに使える手法です。人は誰でも怒りの感情がわき上がるものですが、それを上手くコントロールして、人とのつきあい方を丁寧にもっていくことこそ、今、学ぶべきことではないでしょうか。亡くなられた中学生のご冥福をお祈りいたします。


                  学校長  川合 一紀

誰がいますか

人は、元気な時はいいのですけれど、悩み事があったり困りごとがあったりすると人に相談したくなりますよね。人は悩みを打ち明けるだけで、人に話を聞いてもらえるだけですっきりするともいわれます。これはカタルシス効果といって、負の感情を手放すことで、脳内にセロトニンやドーパミンといった脳内物質が分泌され癒しの効果があるのだとか。勿論聞いてもらえるだけでもうれしいですが、できれば適切なアドバイスが欲しいといった方も多くいるでしょう。ではどんな方に相談しますか。信頼している人、英知に長けた人、経験豊富な人・・・ふっと誰かの顔が浮かんだ人はうらやましいです。そういう方が存在するわけですものね。しかし最終的には、心に訴えかける何かをもっている人に相談できることが理想的でしょうか。心を癒してくれる人というか安心感を与えてくれる人というのでしょう。そばにいてもらえるだけで幸せですよね。そういう方のアドバイスは、例え決定が多少間違っていても、「この人が言うのだから・・・」と聞いた本人が自分を納得させることができます。これは自己理解・自力解決の大きな手助けになるのです。なんといっても最後は自分の生き方です。その生き方を示唆してくれて、自らを納得させることができることほど幸せなことはないでしょう。そんな人に出会いたいし、自分もそんな人になりたいです。

                       学校長  川合 一紀
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