学校日記

信頼されること

公開日
2023/04/10
更新日
2023/04/10

校長メッセージ

 いよいよ新学期が始まりました。新たな気持ちのスタートです。前向きに取り組んでいきましょう。

 先日、ある洋品店のご主人とお話をする機会がありました。そのご主人は、晴れ晴れとしたお顔でこうおっしゃったのです。「今年もすべて間に合いました。」
 私は何のことかといぶかしげに伺ってみると、この3月から4月にかけては標準服の採寸と発注が主な仕事であり、この納期が入学式に間に合うかどうか、毎日眠れないくらい気をもむのだそうです。標準服の製造元には毎日のように電話をし納期の確認をする。間に合いそうになければ直接製造元に出向いて調整をするのだそうです。「お客様にとって、晴れの入学式に標準服がそろわないというのは何よりも悲しいことです。だから私は精一杯誠意を尽くすのです。この時期は血圧が上がってしょうがないのですよ。はははは・・・。」と、また眩しいくらいの笑顔でおっしゃるのです。
 あまりに清々しくおっしゃるので、簡単なことのように聞こえますが、なかなか難しいことです。このご主人はこうもおっしゃいます。「学年が上がって成長し、標準服もお直しが必要になります。それをすべて毎年2回無料で行います。3年間で何センチもお直しするのですよ。お直しをすると我が子の成長を感じるかのように嬉しくなるんです。」
 私は聞きました。「どうしてそこまでやるんですか?」
するとおっしゃいました。「これが私どもの仕事ですから。信頼されることが心のよりどころです」と。
 お店を経営する方の頭の下がる姿勢でした。こちらが嬉しくなるのでした。

 
                    学校長  川合 一紀