※ グラフは、国際数学、理科教育動向調査の日本の成績(毎日新聞)
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文部科学省は10日付で、小学4年と中学2年を対象にした2007年の国際数学・理科教育動向調査の結果を公表した。03年の前回調査に比べ日本の平均得点はおおむね上昇。参加国が増える中、各教科の国際順位は3〜5位で上位を維持した。(時事通信)
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テスト成績は上位であったものの、「勉強が楽しい」と答えたのは下位の方で、特に中学生は低い結果でした。また、日本の中学校2年生は、参加国・地域の中で、テレビ視聴率が最も長く、「家の中で仕事をする」は、中2で2番目に低かったようです。
「勉強が楽しい」と感じられないのは、学校の授業方法にも問題がありそうです。池袋中学校でも「授業改善」(配付文書をご参照ください)に向けて取り組んでいるところです。
楽しい(興味がもてる)→勉強する(意欲的に取り組む)→わかる(新しい発見もある)→もっと楽しくなる…といった、いいサイクルになるように努力していきます。
「テレビの聴視時間」「家での仕事」などは、中学生自身が、家族の方と話し合ってきちんと考えていかなければならないものだと思います(ゲームや、電話、インターネット、メールなどに費やす時間も考えてください)。
「勉強楽しい」日本最下位…好成績とギャップ 中2のTV視聴は最長
12月10日0時38分配信 産経新聞
小中学生の理数系の成績は国際調査で5位以内と優秀だが、「勉強は楽しい」は最下位レベル−。10日付で発表された「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS2007)で、こんなアンバランスな結果が出た。03年の前回より改善傾向はみられたが、特に中2でギャップが顕著。識者らは「授業方法に問題がある」と指摘し、子供の体験や発見を重視した指導が必要としている。
算数・数学で「勉強が楽しいか」という問いに「強くそう思う」と回答したのは小4で34%で、36カ国・地域中32位。中2ではわずか9%で、48カ国・地域中46位と低迷した。「そう思う」を合わせた肯定的な回答は小4で7割に達するが、中2では4割にまで落ち込む。
「数学を勉強すると日常生活に役立つ」に「そう思う」とした中2は71%(国際平均90%)で47位。それでも03年よりは8ポイント向上していた。
算数・数学教育に詳しい筑波大の坪田耕三教授は、好成績とのギャップについて、「日本の子供たちは公式の丸暗記より『なぜ』を大切にした面白い勉強があることに気付いているのに、授業が対応できていないことが『楽しくない』理由では」と推測。「ただ解説するだけでなく、子供とやりとりし、発見を生かす授業が必要だ」と話す。
理科では、「勉強が楽しいか」の問いに小4の57%が「強くそう思う」と答え、国際平均の59%と同水準。ところが、中2では18%に落ち込み、国際平均の46%と大きな差が出た。
総合学習でビオトープ作りなど理科教育に力を入れる東京都新宿区立戸塚第二小の川越秋広校長は「楽しさ」の低下について「自然事象に触れるといった体験不足が原因」と指摘。「中学校では“黒板理科”になりがちで、外の世界とのつながりが切れてしまう。新しい学習指導要領で内容が増えるのはいいが、小中連携で理科イベントを行うなど、子供たちに理科の楽しさを伝える工夫が必要だ」と話している。
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TIMSSでは、学校外での時間の過ごし方も調査。日本の中2はテレビ視聴時間が1日2・5時間で、参加国・地域中で最も長く、小4も2・0時間で、シンガポールに次ぐ2位だった。
対照的に「家の仕事をする」は小4が0・8時間で最も短く、中2も0・6時間でアルジェリアに次いで2番目に短かった。
学習意欲低い、日本の中学生…理数科の国際比較調査
12月10日0時24分配信 読売新聞
国際教育到達度評価学会(本部・アムステルダム)は、世界の小中学生を対象に実施した「国際数学・理科教育動向調査」の結果を発表した。
先進国がこぞって参加する中で、日本の小中学生は、テスト成績では両科とも5位以内に入ったものの、学習意欲は最低水準だった。理数強化をうたう新学習指導要領の一部が来年度から前倒しで実施されるのを前に、「やる気」をいかに引き出すかという課題を浮き彫りにした。
調査は2007年春に実施。日本での小学4年と中学2年に当たる児童・生徒が対象で、小学生は36の国・地域の約16万人、中学生は48の国・地域から約21万6000人が参加した。
日本のテスト成績は、中学理科が前回03年調査の6位から3位に上がり、数学も5位(前回5位)に踏みとどまった。小学生は算数と理科がいずれも4位(同3位)で、前回並みの成績だった。文部科学省は「理数離れに歯止めがかかった」とみている。
一方、テストと同時に行われた学習環境調査では、日本の中学生の学習意欲の低さが目立った。「勉強が楽しい」と答えたのは、中学理科が59%(国際平均78%)でワースト3位に。数学も40%(同67%)でワースト6位という低迷ぶりだった。成績の良い国ほど勉強を面白くないと思う傾向は見受けられるものの、中学理科の「日常生活に役立つか」との問いでは、日本が最下位で、国際平均より31ポイントも低い53%だった。
これに対し、小学生は「勉強が楽しい」とする回答が理科で87%を占めた。国際平均(83%)を超えており、中学生との隔たりを印象づけた。