偏差値に一喜一憂しないこと
- 公開日
- 2021/10/18
- 更新日
- 2021/10/18
校長メッセージ
皆さんはバスをよく使いますか。日本ですと、電車に比べるとバスは、道路渋滞に影響されて到着時刻はあまり正確ではありませんよね。ところで皆さん!例えば、こんなバスがあったらどちらを使いますか。
『毎日2分前後のずれがあるバスAと毎日10分前後ずれのあるバスB』
時刻表には到着時刻7時00分と書いてあります。バスAは6時58分から7時2分の間にやってきます。しかし、バスBは6時50分から7時10分の間にやってくるのです。どちらも平均すると7時00分に到着します。おそらく多くの方はバスAがいいと思いますよね。だって、7時ちょっと前にバス停に着いてもすでにバスBは行ってしまっているかもしれませんよね。でも毎日寝坊しがちな方は、バスBの方が融通が利くからいいと思われるかも・・・。このブレ幅のことを数学用語では「標準偏差」といいます。標準的な数値から偏った差というわけです。似た言葉に偏差値というのもありますね。受験生にとっては切実な数値です。この偏差値とは、平均点に偏差値50を割り当てて、標準偏差を10点に換算して差し引きした数字のことです。ですから偏差値60というのは標準偏差1個分平均点より上にいるということです。先ほどのバスBみたいにブレ幅が上に10です。バスの時刻は単に早い遅いの違いですが、偏差値は成績の良い悪いがまさに受験生にとって切実なわけです。ただ大事なのは、1回のテストで出る偏差値よりも数回受けたテストの標準偏差を知る方が受験戦略としては重要なのですよ。例えば偏差値50のA君とB君。しかしA君は標準偏差2、B君は標準偏差10でした。ということは、A君は安定して成績が取れるが、B君はばらつきが大きい。しかしB君は本番では偏差値60の学校に受かるかもしれない可能性を秘めている、というわけです。
もちろん自分の人生を一か八かに賭けるという意味ではなく、標準偏差を小さくする方がいいと思いませんか。そして何よりも、点数だけでなく人間性を磨くことで勝負したいものですね。
学校長 川合 一紀