何となく知らずにやっていること・・・
- 公開日
- 2021/09/27
- 更新日
- 2021/09/27
校長メッセージ
結婚したばかりのある若い女性が、ハムを料理する際、鍋に入れる前に必ず両端を切り落とすのでした。それを見て興味をそそられた夫が、「どうしてそうするの?」と訪ねると、妻はこう答えました。「どうしてだか分からないわ。でも、ママがいつもそうしていたの。だから私もそうするのよ」ますます興味をそそられた夫は、ある日、義理の母親に、どうしてハムの両端を切り落としてから料理するのか、と聞いてみました。答えはこうでした。「理由は分からないわ。でも、母がいつもそうしていたのよ」この若い夫は、どうしてもその理由が知りたくて、ある時、親戚が集まった際に、妻のおばあさんにそのことを訪ねてみました。おばあさんはこう答えました。「それはね、私が小さかった頃、家はとても貧しかったの。それでね、小さな鍋しかなかったので、料理する時は、ハムの両端を切らないと鍋に入らなかったというわけなの」
このお話を聞いて皆さんはどう思われますか。私たちは時として、理由も分からず、今までそうしてきたからという理由だけで、考えもせず淡々と続けていることがいくつかあります。何かの迷信のように、あるいは儀式のようにしていることさえありますね。
例えば、お葬式で「御焼香」というのがありますが、なぜ親指と人差し指・中指あたりで抹香をつまみ額に押し当てるのでしょうか。「なんとなく皆がやっているから」「あれって、何回やるの?」となってしまいますよね。物事には必ず理由があるものです。そしてその理由が、大して意味をなさないということも時にあります。ちなみに「御焼香」は宗派によってそれぞれちゃんとした意味合いがあるそうです。
さてさて、我々は生活を見回して、果たして「それって必要なのか」と問うてみることも大事ではないでしょうか。理由が分かると何だかすっきりしますよね・・・。
学校長 川合 一紀