学校日記

因果律

公開日
2020/10/12
更新日
2020/10/12

校長メッセージ

 因果律とは、「世の中には、その結果が生じるためには必ず特定の原因がある」という原因と結果の関係をいいます。相変わらず終息の見えないコロナウイルス感染症についても、コロナウイルスというウイルスが繁殖するから感染者が現れるのですね。ちなみにウイルスというのは単体では生きられず、人や動物の細胞内に入って増殖するという特徴があります。
 さて話を戻して、この感染については興味深いデータがあります。つい先日、WHO(世界保健機関)が「すでに世界人口の10%が感染している可能性がある」と発表しました。この内訳を見たとき、子どもの感染者が極めて少ないという結果データが出てきています。日本だけを見ても、家庭内感染が感染全体の半数を超える中にありながら、学校内感染は2%程度、重症者はいないのだというのです。中国、米国、イタリアの調査でも感染が確認された人のうち18歳未満は2%以下、しかも感染しても9割以上が無症状か軽症だったといいます。これはどうしてなのでしょうか。
 ここが問題なのです。子どもの感染者が少ないという結果は分かってきていても、なぜ少ないのかという原因が分かっていないということです。この原因を追及しないと、予防には無意味な対策を講じていたり、場合によっては感染爆発が起こってしまったりする可能性もあるわけです。ノーベル賞学者の山中伸弥教授は「子どもにはファクターXが存在する」とも言っておられますが定かにはなっていません。早く日常を取り戻したい学校としては、早急にその原因究明に力を注いでいただきたいところです。

                      学校長  川合 一紀