倍返しだ!
- 公開日
- 2020/09/14
- 更新日
- 2020/09/14
校長メッセージ
「やられたらやり返す!倍返しだ!!」とは、あるドラマの主人公が使う有名な「決めぜりふ」ですね。
2013年に流行語大賞を取りましたが、そもそも「倍返し」とは復讐の意味ではなく、贈り物などをいただいた際に、その相当額の2倍程度のものを贈り返すという善意の意味で使われていたものです。ですからこの類似の言葉としては「半返し」という言葉もあります。冠婚葬祭などでお越しいただいた方々が、お金や物を包んでいらっしゃいますね。その後には、お越しいただいた感謝を込めて、その相当額の1/3から半分程度の金額の物をお返しするという習慣です。ところで、「倍返し」の倍は2倍の意味です。なぜ「2倍返しだ!」と言わないのでしょうか。実は、日本は昔、一倍、二倍・・・というように、今で言うところの2倍を「一倍」と表現していました。これを「和算」と言います。ですから「人一倍努力する」というような言葉も残っていますよね。しかしその後、西洋の算数が入ってきて海外と対等に渡り合う上で、倍はすなわち2倍のことと修正意識が働きました。これが定着したものと考えられます。今では当たり前の感覚ですよね。言葉というものは、その本来の意味を知って使うと面白いものです。
学校長 川合 一紀