虚仮の一念岩をも通す
- 公開日
- 2020/07/20
- 更新日
- 2020/07/20
校長メッセージ
虚仮は「こけ」と読みます。ネットで調べると「苔の一念岩をも通す」と変換され、これが誤用につながっていると思われます。つまり、苔むす岩には、長い年月かけて根がはえ、いずれ苔が岩を貫通することから、粘り強く取り組めば不可能なことも成就するととらえられてしまっているのです。虚仮(こけ)は仏教用語で、「人をコケにする」と使われるように、馬鹿にするなど愚か者を指すようです。このことわざの語源は、昔、李広という弓の名人がいて、あるとき草むらに虎が潜んでいるのを見つけ、必死に矢を射て、突き刺さったところを見に行くと、それは虎ではなく岩だったという話。そこから本来の意味は「何事も一点の曇りもなく信念をもって臨めば、願いは成就する」というものなのです。弓矢が岩に突き刺さるはずはないのに、虎と思い込んで一撃で仕留めなければやられると信じ込んでいたからこそ成せる業。
ここで重要な言葉は「信念」です。念という漢字は、今の心と書きます。今心に思っていることを迷いなく信じて突き進むこと。それが信念です。
勿論、信じるには自分なりの根拠が必要なのは言うまでもありませんよね。
学校長 川合 一紀