学校日記

人材育成とは

公開日
2020/11/02
更新日
2020/11/02

校長メッセージ

 会社にお勤めの方々には、少々頭の痛い課題ですね。ましてや監督職や管理職的なお仕事に就かれていれば、会社の将来を左右しかねない大きな問題です。でもそれは人の持てる力を最大限に発揮させたいという「タテマエ」の裏に、会社の命令を高度にこなす社員、すなわち会社に財をもたらす「人財育成」と考えると、ちょっと首をかしげてしまいますね。財を生む材料というわけです。
 しかし、会社や学校という組織においては、人が財産という考え方は必要ではないでしょうか。その社員(先生)たちが生き生きと仕事をして、仕事をすることの喜びを感じて、はじめて会社や学校は発展するのです。けれども例えば、夜遅くまで将来を語り合ったり、共に涙や汗を流したりした部下(後輩)が退職や異動をしたとき、今まで通り親交を続けたり、その消息を気にかけたりする上司はどれほどいるのでしょうか。在職中は「財」への可能性を大いに期待しても、会社や学校をやめたら「材」にすらならないのが現実ですか・・・。悲しい限りです。
 人は存在そのものが「財」であり、どんな会社や学校も、その財の集まりで構成されているのです。物としての財を得るために「人材育成」をしていては組織の発展はないのですね。

                      学校長  川合 一紀