本日、ここに豊島区立西池袋中学校　開校十周年の記念式典を挙行いたしましたところ、ご多忙中にもかかわらず、豊島区長　高野之夫　様をはじめ、かくも多数の方々のご臨席を賜り、「開校して初めての周年行事」という記念すべき式典を盛大に開催できますことは、在籍している私共にとりまして、大きな喜びであり感激ひとしおのものがございます。全校生徒、教職員と共に、深く感謝申し上げます。

　本校は平成１７年４月１日、５５年の歴史、１３５４２名の卒業生を輩出した豊島区立道和中学校と同じく５５年の歴史、１０９１０名の卒業生を輩出した豊島区立真和中学校が統合し、豊島区立西池袋中学校として開校いたしました。
　統合新校を創るにあたり、開校の２年前から地域、統合二校の関係者、教育委員会による「統合推進協議会」と両校の教職員による「統合準備会」が発足し、統合に関わる様々な内容が検討されました。
　学校名、校旗・校章、校歌、標準服はもちろんのこと、荷物の引っ越しやその整理、生活の決まりから通知表に至るまで、ありとあらゆる開校準備がありました。それが両校の閉校の準備と重なり、さぞかし大変であったことは容易に想像できます。
　その困難を乗り越えて開校を迎えることができたのも、二十一世紀を生きぬく生徒達のためにいい学校を創ろうという豊島区・豊島区教育委員会の熱意、「統合推進協議会」や「統合準備会」の皆様のご尽力、地域の皆様方の熱い応援やご協力があってのことでした。
　更に本校新校舎は、地域に開かれた学校を建設することを目的として、保護者や地域の方々で構成された「西池袋中学校の改築を考える会」と、豊島区、豊島区教育委員会が協働して三年前に建てられました。校舎の周りを囲む樹木や花壇、そして木をふんだんに使い、光と風が感じられる校舎は、中に入ると安らぎを覚え、生徒達が明るく健康的に学習できる環境に配慮されております。
　今、開校十周年を迎えることができたのも、皆様のおかげと改めて感謝いたします。ありがとうございました。

　開校からの十年間、道和と真和の二つに共通する「和」を大切にしながら、西池袋中学校としての新たな伝統を築くべく時を重ねてまいりました。
　現在の生徒達は西池袋中学校に誇りをもっております。特に、「あいさつがこだまする学校」としての生徒会の取り組みが、全校生徒の日常になっています。また、やるべきことはきちんと行う校風も、現在に受け継がれています。学習するときは学習する。生徒会活動を行うときは生徒会活動をする。部活動をするときは部活動をする。歌うときは歌い、走るときは走る。宿題はやる。提出物は出す。「当たり前のことを当たり前に」です。本校の生徒は三年間で一生懸命に取り組むこと、辛いことでもやり遂げ、達成する喜びを体感し、自信と誇りをもちます。
　また、豊島区教育ビジョン二〇一五の骨格でもある、知、徳、体をバランス良く向上させる本校の取り組みは、開校以来、飯島校長、尾崎校長の方針を受け継ぎ、発展させているものであります。
　豊島区チューター制度をフル活用した、図書室、学習センター、多目的室等がある「知のゾーン」での学力向上の取り組み。文部科学省学習指導実践研究協力校、豊島区研究推進校としての道徳教育、「徳」の取り組み。開校以来七度の東京都表彰を受けた歯科保健優良校などに見られる「体」の取り組みをバランス良く向上させる環境に恵まれた学校となりました。

　本校は本年5月9日に、開校10周年記念道徳授業地区公開講座の講師としてマンガ家、キャプテン翼の高橋陽一先生を招き、「夢の実現」という主題でお話をいただきました。
『明日の日本の夢湧くところ』西池袋中学校。『夢は必ず叶から』と、努力する西池袋中学校。自己実現をめざし、切磋琢磨し合いながら三年（みとせ）の時を学びきる学校として、十年の時を刻んできたことを皆様にご報告させていただきます。

　結びに、開校以来、これまで本校の発展のため、また本日のこの式典と祝賀会の準備と開催のために、ご尽力をいただいた豊島区、豊島区教育委員会、豊島区議会、歴代の校長先生をはじめ教職員、卒業生、ＰＴＡ、ＰＴＡ ＯＢ、同窓会、地域の皆様方、関係諸機関等、関係くださいました多くの皆様方に、改めて感謝申し上げ、式辞といたします。


平成２７年１１月７日

　　　　　　　　　 豊島区立 西池袋　中学校 　第三代校長　江川 登