さ入れ言葉に違和感が・・・
さ入れ言葉というものを聞いたことがありますか。例えば「私がやらさせていただきます」「失礼して座らさせていただきます」「私が作らさせていただきます」などなど。
これは本来ならば「私がやらせていただきます」「着座にて失礼します」「私が作ります」という言葉を、こねくり回して丁寧に言ったつもりと言うわけですね。 他にも違和感がある表現では、お店の方が時々「これでよろしかったでしょうか」と聞くことがあります。「なんで過去形?」と思ってしまいます。これも本来なら「これでよろしいでしょうか」と聞けばいいわけです。高級ホテルや高級レストランでは「これでよろしゅうございますか」と聞かれて、ちょっと気恥ずかしい思いになる方もいらっしゃいますかね。 誤った丁寧語表現は、かなり巷に広がっているように感じます。正しい日本語を使いたいものです。また、ちょっと聞くと余り違和感を感じなくなってしまった表現もあります。例えば「おいしいです」「うれしいです」という言葉です。「おいしい」とか「うれしい」は形容詞といって後ろには「です」はつけません。「です」は本来体言の後につくので「おいしいケーキです」と表現するなら正解です。「美しい」や「苦しい」も同様で、「です」はつけません。「美しい景色です」「苦しい運動です」といった具合でしょうか。 迷ったときには、後ろに「である」をつけてみると良いでしょう。「おいしいである」「美しいである」「苦しいである」とは使いませんから、間違った表現であるとわかります。「です」と「である」は、同じ働きをするのですね。 「一々、目くじらを立てなくてもいいのではないか」と思われるかもしれませんが、正しい言葉を知っていて、あえて親しみやすい言葉を使っている方がセンスの良いように思いませんか。 学校長 川合 一紀 |
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