卒業生160名が巣立ちました。
豊島区並びに豊島区教育委員会のご祝辞は、三田教育長、鈴木PTA会長からもご祝辞をいただきました。
式辞
<平成28年度 豊島区立西池袋中学校 卒業証書授与式 式辞>
H28.3.18
第11回の卒業生160名の皆さん、卒業おめでとうございます。
この佳き日にあたり、ご多用の所、豊島区・豊島区教育委員会より 教育長 三田一則 様をはじめ、日頃、本校に何かとご理解、ご援助を賜っております大勢のご来賓の方々のご臨席をいただき、盛大に卒業証書授与式を挙行できますことは、誠にありがたく、本校職員一同と共に厚く御礼申し上げます。
そして、保護者の皆様方にも ご列席いただいております。本日は、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。この三年間、PTA活動等を通してお寄せくださいました本校へのご協力・ご支援に深く感謝いたします。
さて、卒業生の皆さん、先ほど、一人一人にお渡しした卒業証書は、中学校の全課程を修了したと同時に、9年間の義務教育を修了したことを証明するものです。今、卒業の式典にあたり、「西池袋中学校で学んだことを礎に、自分の夢に向かって努力し、自覚と責任をもって自らの役割を果たしてほしい」という気持ちを込めて、メッセージを贈ります。
皆さんは私にとって自慢の生徒達でした。最上級生として下級生に手本を示しながら学校生活を送ってくれました。
例を挙げるなら、あいさつがきちんとできる生徒。大きな声で歌える生徒。持久走にも手を抜かず、努力し、一生懸命に走る生徒でした。
どれも、当たり前と言えば当たり前ですが、当たり前のことをきちんとやることは意外と難しいものです。これらのことがきちんとできる皆さんは立派でした。そして、この三つのことがきちんとできる生徒達の、他の学校生活の様子は推して知るべしものであると言うことです。
私は皆さんに、都内と言わず全国の皆さんにみんなの姿をご覧いただきたいという気持ちにさせてもらいました。感謝します。どうもありがとうございました。
西池袋中学校は、生徒一人一人の「知・徳・体」のバランススのよい向上を目指し日々の実践を行ってきました。中学校で、また、義務教育の中で学習し、活動してきたことは「知・徳・体」のいずれかに当てはまります。皆さんは社会生活の中で基礎となる部分の「知・徳・体」を身につけてきた訳です。ここで重要なことは、「バランス」です。例えるなら、「知」の部分のみを向上させても、それに伴う心、「徳」の部分がかけていたり、それを生かす体、「体」の部分が不十分だったりすると、十分な力が発揮できないということです。これから皆さんは、ますます社会との関わりが強まってくることでしょう。中学校で学んだ基礎を生かし、これからも「知・徳・体」をバランスよく向上させていってください。これからは18歳から選挙権があるようになりました。早い生徒は2年と少しで選挙するようになるのです。年齢が来れば自動的に選挙権が与えられるという感覚ではなく、立候補者を選ぶにふさわしい有権者へと成長してほしいと思います。
今、アクティブ・ラーニング、主体的に学ぶ力がキーワードになっています。義務教育を終えた皆さんの真の学習はこれから始まるとも言えます。人生は一生勉強です。人から言われて始めるのでなく、自分で目標を設定して主体的に学んでいってほしいと思います。
イギリスオックスフォード大学で人工知能などの研究を行うマイケル・オズボーン准教授が2013年に出した論文の中で、人工知能の発展にともない、今後10から20年程度で米国の総雇用者の47%の仕事が自動化されるリスクが高いと発表しました。同論文では、銀行の融資担当者や塗装工、手縫いの仕立屋、ネイリストなどがコンピュータに仕事を奪われる確率が高いというのです。
言い換えれば、将来、皆さんの中には、現在では存在しない仕事に就く者がいるということにもなります。だからこそ、基礎基本を学習した上で、主体的に学び続ける力を身につけ、自分の意見をもち、他の考えも聞き入れ、表現する力が重要なのです。
今年はオリンピックイヤー、ブラジルのリオデジャネイロでオリンピックが開催されます。そのオリンピック終了後は、
東京へと世界の目が集まることでしょう。皆さんが成人する2020年、平成32年には、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。その時皆さんはどんな成人になっているのでしょうか?
皆さんもオリンピック開催国として恥ずかしくない国際人に成長してもらいたいと思います。それは、単に英語を話せると言うことだけではなく、マナー、モラルを身に付けた人格者に、そして日本の良さ、豊島区の良さを語れる人に、他人の意見をしっかり聞けて、自分の意見を表現できる人になってもらいたいということです。
皆さんはこの新校舎で3年間を過ごした最初の生徒、そして豊島区の新庁舎がオープンしてからの最初の卒業生です。義務教育修了後の生活は、本校の校舎や豊島区の新庁舎とともにその歴史を歩むことになります。西池袋中学校を卒業した皆さんは、この地域、郷土を愛し、西池袋中学校の卒業生であることに自信と誇りをもってこれからの人生を切り拓いていってください。また、卒業生として、地域に生活する者としてこれからも西池袋中学校を応援してください。
卒業生諸君の今後の健やかな成長を祈念し、そして限りない前途を祝し、校長式辞といたします。
平成28年3月18日
豊島区立西池袋中学校 校長 江川 登