キセルな人
- 公開日
- 2022/05/09
- 更新日
- 2022/05/09
校長メッセージ
「キセル」という言葉をご存じですか。もともと「キセル(煙管)」とはタバコを吸うときに口にくわえる長い管状の道具で、よく時代劇などに登場していました。最近では見かけなくなった道具ですが、ここから転じて、タバコの葉を詰める部分と吸い口の部分だけが金属であることから、電車に乗るときに正当な運賃を払わず、入場券だけで改札口を通過する違法なやり方をキセル(両端だけが金)と呼ぶようになりました。
ところで、“キセルな店”というのも見受けますかね。「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」は慇懃無礼(いんぎんぶれい)なほど丁寧だけれど、品揃えが悪かったり、接客がぞんざいであったりと中身が伴わないことをいいます。
では、聞き馴染みのない言葉ですが“キセルな人”はどうでしょうか。挨拶だけはとても丁寧だけれど、自分の得にならないとか、お金にならないと分かると途端に無礼な物言いになる方がいるようです。本当に立派な人とは、前後が金属なだけでなく中身も金属並みにしっかりとしたものをもっている人のことを言うのではないでしょうか。
自分を振り返りたいものですね。
学校長 川合 一紀