最新更新日:2024/11/08
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使わずに錆つかせるより、使って擦り減らす方が良い

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例えば、従来の包丁などは使わずに置いておくと錆びてしまいますよね。ステンレス製やセラミック製のものもありますが、使わないと切れ味が落ちるのも確かです。有名な職人さんによって作られた鋼の包丁は、定期的に研いでもらうと良いようですが、何年も繰り返していると切れ味は維持できるものの、一回りくらい小さくなっていくのだそうです。つまり研いでいくうちに擦り減っていくわけですね。そういったものは、お鍋やステンレス皿、箒やチリトリ、電球や電子機器など他にもたくさん身の回りにあります。使わず大切にとっておいて使い物にならなくなっても、使って擦り減って使い物にならなくなっても結果的には同じように映りますが、それまでの過程を考えれば、有効に活用した方が良いのは言うまでもありません。まして人の才能やセンスというものは、使って初めて意味をなすものでしょう。そして宝の持ち腐れというように才能やセンスといったものも、使わないと鈍ってきてもったいないことになります。さらには、この才能やセンスは、擦り減るどころか使えば使うほど磨かれていくのですから使わないわけにはいきません。お子様の才能やセンスは無限大です。でもどこに隠れているのか見つけにくいこともあります。本人の気づかない場合もありますから、保護者の皆様も才能やセンスの一端を見つける手助けをしてあげてください。

                      学校長  川合 一紀

抱えている問題を直視すること

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日が暮れて辺りがすっかり暗くなりました。男が地面に膝をついて街灯の下で探し物をしています。そこへ通りがかった女性が「こんなところで何をしているのですか」と訪ねると、男は「鍵をなくしたので探しているのです」と答えました。そこで女性も手伝うことにしました。1時間ほど探しても鍵は見つからず、女性はすっかり困惑して「くまなく探しましたが、どこにもありません。本当にこのあたりで鍵をなくしたのですか」と尋ねました。すると男はこう答えたのです。「いや、本当は家の中でなくしたのですが、街灯の下の方が明るくて探しやすいので、ここで探しているのです」と・・・。この話は、自分の抱えている問題を直視せず、他の人や物の中に問題の根源を探し求めているということを揶揄した寓話です。我々は、本当は問題の根源が自分の中にあることを知りながら避けているということがよくあります。でも、それを直視しないうちは何も変えられないのだということに気づかなくてはなりません。なかなか難しいことです。人のせいにしたり、モノにあたったりしても問題解決にはつながらないことを、本当はよく分かっているのですね。そこで一呼吸置いて、しっかり自分を見つめ直してみたいものです。それができる人は必ず前進し成長していける人なのだと思います。

                       学校長  川合 一紀
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