最新更新日:2024/07/01 | |
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悪いこと、困ったことは「思わない」こと
「見ず聞かず言わざる三つのさるよりも、思わざるこそまさるなりけり」
これは良源(りょうげん)という人の言葉ですが「三つのさる」と聞けば、多くの方が日光東照宮の「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿の彫刻を思い浮かべることでしょう。この猿の一生は八つの場面から成っていますが、実はこれは人間の理想の生き方について示しているのだそうです。両手で目・耳・口をふさいだ三猿は、子供時代に実践すべき生き方を表現しています。「純粋なときには悪事を見ざる、聞かざる、言わざるが良い」という教えを表しているのです。子供時代には、悪影響を及ぼす映像や情報は制限したほうが良いし、それは大人の役目でもあります。悪事に対して、三猿の教えを守ることは言うまでもありませんが、最も大切なことは、欲望や恐怖心といったものに意識を働かせない「思わざる」であると良源は続けているのです。つまり、たとえ悪事を見たり聞いたりしても、悪事を考えないことこそが大事なのです。考えなければ行動に移すこともありませんよね。「思わざる」ためには、三猿が目や耳を手で覆い隠すと同じように、悪事が近寄ってきたら、自分の心を手でそっと隠せばいいのです。心が悪に染まらないためには、他人に振り回されず、その時その場で最も良い判断を自分でして行動に移せる安定した心の持ち主でいようではありませんか。 学校長 川合 一紀 |
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