2012年12月号 見えないもの 校長  菊池 貞和 青いお空の底ふかく、   海の小石のそのように、 夜がくるまで沈んでる、   昼のお星は眼にみえぬ。 見えぬけれどもあるんだよ、   見えぬものでもあるんだよ。 散ってすがれたたんぽぽの、   瓦のすきに、だァまって、 春のくるまでかくれてる、   つよいその根は眼にみえぬ。 見えぬけれどもあるんだよ、   見えぬものでもあるんだよ。  先月の音楽会では、たくさんの方々にご参観頂き、子どもたちの頑張りに温かい励ましを賜り、ありがとうございました。 どの学年の子どもたちも「とどけよう心のハーモニー」をテーマに、一生懸命歌い、演奏しました。頑張る気持ちが体育館に溢れ、 ご観覧の皆様の心の中にも届いたことと思います。子どもたちは、音楽会を通して、「感じる力」「努力する大切さ」「力を合わせる大切さ」など多くのことを学んだことでしょう。  さて、冒頭に掲げたのは、童謡詩人 金子みすゞさんの詩『星とたんぽぽ』です。先日の全校朝会の時、この詩を紹介し、子どもたちに「見えないもの」という話をしました。  世の中の大切なもので、見えないものがあります。例えば空気です。空気がなかったら生きていけません。そして、見えないけれど大切なこともあります。 点数で表せるもの、見えるものより、点数で表せないもの、見えないものの方が実は遙かに多く、大切なことが多いのです。それは一人一人の心の中にあるものです。 自分から頑張ろうとする気持ち、友達への優しさ、素直さなど、見えないけれどどれも皆大切なものです。自分が頑張ったり努力したりする人は、友達の頑張りや努力がわかります。 友達に優しくする人は、友達の優しさがわかります。このように頑張る人、優しい人には、感じる力、人の気持ちが分かる力という大切な心が育っているのです。  学校で学ぶことには、見えないことがたくさんあります。子どもたちの心の中の大事なものを大切に育てていきたいと考えています。子どもたちの心身の健やかな成長のために、 今月も一日一日を大切に、教職員一丸となって支援して参ります。今後とも、保護者の皆様、地域の皆様のご理解ご協力をよろしくお願いいたします。