最新更新日:2024/05/20
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リスク(risk)

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 最近、この言葉をよく見たり聞いたりします。新型コロナウイルスの影響もあるのかもしれません。「感染のリスク」「経済活動へのリスク」「リスクのある仕事」と様々に言葉が飛び交うのですが、具体的にはどういう日本語訳が一番しっくりくるのでしょうか。
 辞書で調べると「リスク=危険、危機」とあります。「なるほど、感染する危険があるのか」とか「経済活動が危機に瀕しているのか」はたまた「危険を伴う仕事なのか」といった具合に訳せばなんとなく意味は通じます。しかし「危険」は「Danger(デインジャー)」「Hazard(ハザード)」と言う言葉が、「危機」には「Crisis(クライシス)」と言う言葉が当てはまるようです。別の辞書には、「リスクとは、何か悪いことが起こる可能性」とも載っていますので、最も適した日本語訳は「危険性」と言えるでしょうか。実はこの「危険」と「危険性」は似て非なるもの。ここには明確な違いがあります。
 「危険性」というのは、事前に感じるものであって、事後的に感じるものではありません。一方で「危険」は、必ずしも事前に感じる必要はありません。突如として目の前に迫る状況に危険を感じることはあります。事前に想定できずに突如として訪れる危険を目前にして「危険性」を感じることは少ないでしょう。つまり「危険」は「確かなこと」であり、「危険性」は起こるかもしれないという「不確実性」を含んでいるということなのです。そう考えると最初の例で言えば、「感染のリスクがある」とは街中に繰り出せば感染する危険性があるわけで、それが分かっていれば、街へ出かけないという回避をすることができます。「リスクのある仕事」といえば、大けがをする可能性もある重機を使っての仕事かもしれませんが、安全に配慮して危機を回避することができるのですね。しかしこのリスク、危険性をはらんでいるとはいえ実行してしまうのはなぜでしょうか。それは、その裏側に効能とも言うべき達成感や充実感あるいはメリットといったものが隠れているからなのでしょう。街に繰り出せば楽しいことがある、重機を使って仕事をすれば大量に仕事をこなし収入が多くなるといった具合です。「リスクを冒す(おかす)」とは読んで字のごとく一種の冒険なのかもしれませんね。
 緊急事態宣言が解除されました。リスクを冒すにはまだちょっと抵抗があるのですが・・・。

                      学校長  川合一紀
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