最新更新日:2024/06/02 | |
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人も猿も・・・これは人間の子どもにも必要不可欠な条件であると言われています。ハーロウ氏の実験は、子どもには母親の温もりが重要だと言っているように感じますが、当のハーロウ氏はそうは言っていないのです。ハーロウ氏は、これらの実験結果を踏まえ、なんと「母性なんて必要ない」というとんでもない発表をします。布でも何でも温かい接触さえあれば、子どもは育つので母親はいなくても良いという論理です。 しかしこの後、赤ちゃん猿は残念ながら正常に育たなかったという結果がでました。代理母で育った猿は、恐怖感が異常に強く攻撃的で異常行動を取るようになってしまいます。社会性も育たないために集団にも馴染めず、いじめられ最終的には集団を追い出されてしまう。大人になっても子育てもできずに自分の指を噛んだり腕を噛んだりの自傷行動もあるようです。結局、ハーロウ氏の発表した「母性なんて不要」と言う結論は事実に反しており、単に温もりがあるだけの代理母では、対象性と社会性を欠如してしまうことが明らかになりました。 この結果を皆さんはどう受け止めますか。勿論単純に人間の子どもにそっくり当てはめられるとは言いません。しかし今の世の中の風潮を見ていると、あながち的外れとは言い難いところもあると思いませんか。衣食住は事足りていても、肌の温もりがない関係では情緒や感情が育たないのですね。そしてその情緒や感情こそが、人間の尊厳であり、人工知能の時代を迎えうつ、人間としての生き残る術ではないのでしょうか。 う〜ん、考えさせられますねぇ。 学校長 川合 一紀 |
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