最新更新日:2024/06/02
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夕方や吹くともなしに竹の秋

 これは永井荷風の俳句です。竹はこの時期、紅葉します。
親竹は、筍を伸ばすために一年間蓄えてきた養分を使い切り、葉が色褪せてしまうのです。竹が紅葉するこの時期を、日本人は紅葉に視点の軸を置き、竹の秋と表現しました。だから「竹の秋」は春の季語です。雑木林の木々が萌木色の新芽をだし、生命の息吹がもっとも勢いのあるこの時期に、竹はひっそりと秋を迎えます。春なのに、秋なのです。風もないのに一枚一枚落ちる竹の葉。小刻みにくるくる回りながら横滑りしてきます。その姿は、春の宴が終わったことを告げるシグナルのようです。中学校は義務教育最終段階です。中学校に入学した1年生もあっという間に3年生になり卒業します。中学3年生はこの1年で最後の栄養を蓄え羽ばたいて行くのです。しっかり成長した姿の陰には保護者の方や地域の方の並々ならぬ支えがあって春を迎えます。しかし保護者の方や地域の方々は、その役目を終え、ひっそりと秋を迎えるのですね。

                      学校長  川合 一紀

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