校長式辞
来賓祝辞(城山教育部長、堀江PTA会長)
式辞
<平成30年度 豊島区立西池袋中学校 卒業証書授与式 式辞>
H31.3.20
第14回の卒業生152名の皆さん、卒業おめでとうございます。
この佳き日にあたり、ご多用の所、豊島区・豊島区教育委員会より 教育部長 城山 佳胤(しろやま よしつぐ) 様をはじめ、日頃、本校に何かとご理解、ご援助を賜っております大勢のご来賓の方々のご臨席をいただき、盛大に卒業証書授与式を挙行できますことは、誠にありがたく、本校職員一同と共に厚く御礼申し上げます。
そして、保護者の皆様方にも ご列席いただいております。本日は、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。この三年間、PTA活動等を通してお寄せくださいました本校へのご協力・ご支援に深く感謝いたします。
さて、卒業生の皆さん、先ほど、一人一人にお渡しした卒業証書は、中学校の全課程を修了したと同時に、9年間の義務教育を修了したことを証明するものです。今、卒業の式典にあたり、「西池袋中学校で学んだことを礎に、自分の夢に向かって努力し、自覚と責任をもって自らの役割を果たしてほしい」という気持ちを込めて、メッセージを贈ります。
皆さんは私にとって自慢の生徒達でした。最上級生として下級生に手本を示しながら学校生活を送ってくれました。
例を挙げるなら、あいさつがきちんとできる生徒。大きな声で歌える生徒。持久走にも手を抜かず、努力し、一生懸命に走る生徒でした。
どれも、当たり前と言えば当たり前ですが、当たり前のことをきちんとやることは意外と難しいものです。これらのことがきちんとできる皆さんは立派でした。そして、これらのことがきちんとできる生徒達の、他の学校生活の様子は推して知るべしものであると言うことです。
今年度も日本各地からまた、中国からもたくさんの教育視察の先生方がご来校になりました。皆さんが挨拶をする様子や、熱心に学習に取り組む姿をご覧になって、たくさんのお褒めの言葉をいただきました。私は皆さんに感謝しています。どうもありがとうございました。
今、時代は急速に変化しています。IoT(インターネット オブ シングス)ですべの人とものがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、多くの課題や困難を克服するでしょう。また、人工知能(AI)の発達により、必要な情報が必要なときに提供されるようになり、ロボットや自動走行などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されることが期待されます。一方で、現在存在する職業のいくつかは人工知能に取って代わられ、なくなっていくでしょう。現在では存在しない職業に就く人もいるでしょう。
国際化もますます進み、世界はどんどん狭くなっていきます。今年、豊島区では「東アジア文化都市」のイベントが開催されます。また、東京ではラグビーのワールドカップも開催されます。さらに、来年、東京でオリンピック・パラリンピックも開催されます。国際化もより身近に感じるはずです。
社会や産業の変化が激しい中、次代を創造することが求められている皆さんは、課題を発見する力、解決する力、創造性、感性、思いやり、意欲、多様性を受容する力といった資質や能力も重要になってきます。
現在、大学入試に使われているセンター試験は2020年1月の実施を最後に廃止され、新たに「大学入学共通テスト」が行われます。皆さんの一つ上の代、現在の高校一年生から受検することになるのです。大きな変更点は記述式問題の導入と英語の4技能(読む・聞く・話す・書く)を評価することなどです。また、「知識・技能」だけでなく、「思考力・判断力・表現力」を中心に評価するという考えがあります。国語や数学でも記述式問題が導入されます。問題に書かれていることを読み取り、考えをまとめ、相手にわかるように表現するのです。
決まった正解のない予測困難な時代を生きる皆さんにとって、自らの人生や社会における、答えが定まっていない問題を受け止め、多様な他者と議論を重ねて探求し、自分が納得でき、周囲の納得も得られる答え=いわゆる納得解を導くための資質・能力が求められるようになります。
少し難しいことを話しましたが、西池袋中学校で学んだ「考え、議論する道徳の授業」と同じように、まず、自分の考えをもち、相手の意見や考えに耳を傾け、話し合い、さらに考える。そして深める。自己を見つめ、物事を広い視野から多面的・多角的に考え、人間としてよりよく生きるにはどうしたらよいのかということを考えてきた皆さんには、その基礎は身についているはずです。また、学年朝礼でスピーチをしたり各教科や特別活動、総合的な学習の時間で、自分の考えをまとめ、相手にわかるように表現してきた皆さんは、その基礎は身についているはずです。当たり前のことを当たり前にやる力や、苦しいことや辛いことにも立ち向かう力もつけてきたはずです。自信をもって、自己実現に向けて努力を続けてください。
医療の発達、栄養状態や衛生環境の改善などによって、人生は100年時代を迎えています。そんな時代を生き抜いていく皆さんだからこそ、「西池袋中学校で学んだことを礎に、自分の夢に向かって努力し、自覚と責任をもって自らの役割を果たしてほしい」のです。この地域、郷土を愛し、西池袋中学校の卒業生であることに自信と誇りをもってこれからの人生を切り拓いていってください。また、卒業生として、地域に生活する者としてこれからも西池袋中学校を応援してください。
平成最後の年に卒業する第14回卒業生、皆さんの今後の健やかな成長を祈念し、そして限りない前途を祝し、校長式辞といたします。
平成31年3月20日
豊島区立西池袋中学校 校長 江川 登